レーシック 比較の資料公開

従来の近視手術において角膜上皮の再生には約2日間をも要し、その間の痛みが強く通常の生活をおくるのは困難でした。また、視力が安定するまでにかなりの時間が必要で、さらにはヘイズ(角膜上皮下混濁)が発生すると近視への戻りが出てしまうため、防ぐために3ヶ月以上のステロイド点眼が必要となりました。
ここ数年、エキシマレーザーによる角膜手術の研究は、参与する医療機関や企業の数が著しく増加し、高度成長期に入っているといえます。その中でも、生体内ケラトミリユーシスとも呼ばれるレーシックは、マイナス10D以上という強度な近視にも適応する手術として注目されています。
この手術はマイクロケラトームという器械で角膜の表面部分を一辺だけ繋がった状態で残すよう切開した後、エキシマレーザーを角膜実質に照射するというもので、PRKとの大きな違いは角膜上皮を剥がして角膜表面に直接レーザーをあてるのではなく、角膜実質自体をめくってからレーザーをあてるというところです。このめくった部分はフラップといい、レーザー照射がすんだ後はもとに戻すようにかぶせます。
この方法は角膜上皮やその下のボーマン膜が温存されるため、術後も短期間で角膜を保護するという機能を働かせることができます。これによってPRKよりも視力の回復が早く、ヘイズの問題も解消されるため、ステロイド点眼の期間が約1週間と短くなります。
レーシックは、術後の視力の回復が早いことや、痛みが少ないこと、術後の点眼を行う期間が短いことなど有利な点がたくさんあります。ただし初期には、角膜をカットする時点でのリスクなど問題点がなかったわけではありません。

角膜を少しつなげた状態でカットし、フラップを上げ、レーザーを照射する。異物や上皮細胞が入らないようにきれいに洗浄し、フラップを元に戻す。
レーシックの特徴である角膜をフラップ状にするときに、角膜をぎざぎざに切ってしまったり、斜めに切ってしまった場合に起きる不正乱視の出現や、残さなければいけない部分まで切ってしまったり、角膜に穴を開けてしまうほど深くカットしてしまうパーフォレーションというケースなどがあげられます。このことからレーシックでの最重要課題は、マイクロケラトームでカットする時点での安全性を高めることであり、器械自体の品質をより向上させ安全で確実、容易にフラップができる手術器具として完成させることにありました。
Mクリニックでは96年11月よりレーシックの手術を導入いたしました。この時のマイクロケラトームはフェニックス社のもので、当時最新の機種で多くの話題をよんだものですが、アメリカで開発されたため、日本人に多く見られる眼の小さい人には器械自体が入らないという問題点も多々ありました。
現在では、日本製のNデック社のマイクロケラトームも完備しており、眼の小さい人や瞼の開きが小さい人にも対応できるようになりました。PRKとレーシックの手術が可能になったのは、科学の発達によりエキシマレーザーが開発されたことが最大の要因です。
レーザーは、1975年に開発され、1983年に眼の角膜組織もプラスチックと同様に切除されることが報告されたことから始まりました。つまり、レーザーで角膜を削り角膜形状に変化をつけ、近視や乱視、遠視の矯正ができる可能性が示されたのです。
その後、エキシマレーザーによる眼科領域の研究に拍車がかかり、さまざまな実験を経て、1987年にアメリカで最初のPRK手術が行われました。このレーザーは眼に見えない短い波長のレーザーで、角膜を通過せず角膜に当たるとそこでエネルギーを放出します。
最大のポイントとなるのは、熱の上昇を伴いにくいコールドレーザーであることから、生体組織を焼いてしまうなどの熱変化を起こさずに組織を切除することができるということです。集積回路のような微妙なずれも許されない繊細な電機部品の加工にも最適で、医学のみならず多方面でも研究が行なわれています。
一時期、エキシマレーザーとは別に、ネオジムイオンを使ったYAGレーザーや色素レーザーの研究もなされていましたが、角膜切除や角膜形状形成にはエキシマレーザーが最も有効だと判断されました。角膜切除を行うときには熱は大敵となります。

本来熱を受けることのない組織に熱を加えてしまうと、目的として行った処置以外に細胞へ何らかの変化を与えてしまうことが考えられるからです。コールドレーザーとはいえ紫外線領域のレーザーです。
角膜への照射時間が長くなるのに比例して熱が発生してきます。そこでエキシマレーザーでの照射が極めて短時間ですみ、角膜切除に最も適したエネルギーを放出する波長を探り出し、結果193ナノメーターという数値を選択しました。
つまり、現在レーシック手術で使用されているフッ化アルゴンエキシマレーザーは、最小の熱変化と、吸収率の高さ、浸透距離の短さで、角膜切除に最も適した波長となっているのです。周囲の組織や深部を傷つけていることもなく狙った部位のみを、表面を滑らかな状態で除去できます。
また、照射された細胞の突然変異がないことも確認されています。この最適なレーザーの波長を手に入れるまでは、もちろん様々な経過がありました。
その流れをつかむことで手術内容や後遺症などへの影響が分かってくると思います。

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